タヌキの死体の分解過程

(113.4MB, 00:05:16)
撮影日:2006
撮影場所:福井県福井市足羽上町 足羽山


福井市自然史博物館
(Fukui City Museum of Natural History)
2009/03/26登録

種類:タヌキ, Nyctereutes procyonides
キーワード:分解者 死体 腐肉食者 間欠撮影 里山


動物界 >脊索動物門 >哺乳綱 >食肉目 >イヌ科 >タヌキ属 >


この映像は、雑木林内で死んだタヌキがどのように分解されていくかを固定カメラの撮影で記録したものです。2006年7月12日に福井県福井市足羽山の山中の林床にタヌキの死体を設置し、その前にカメラをセットして撮影しました(同年8月25日ごろまでは間欠動画撮影、以降12月ごろまでは定期的な静止画撮影)。夜間の撮影は弱い照明をつけています。用いた死体は同年2月に同じ山中で拾得した事故死体を冷凍保存していたもので、解凍したのち体の一部をテグスで地面に固定して設置しました。この映像は早送りで再生していますが、現象を見やすいように特定のイベント時に再生速度を落としたり、一部の時間帯をカットする編集を行っています(経過日数は画面右下を参照)。この実験により、昆虫から鳥、哺乳類まで様々な動物が死体の分解に関わっていることがわかりました。高解像度の映像と詳しい解説は、福井市自然史博物館常設展示室「足羽山大図鑑」で見ることができます。

映像解説:
■実験準備
 ビデオカメラの前にタヌキを置き、タヌキの体が動かないように固定しました。

■1日目 ハエやシデムシが集まってくる
 準備がおわった直後から、たくさんのハエが卵を産みにやってきました。腐った肉を食べるシデムシもきています。アリ・ハネカクシ・ハサミムシ・ワラジムシなども集まっていました。

■2日目 カラスがつつきにくる
 ハシボソガラスがやってきました。なんでも食べる雑食の鳥です。このときは、頭を少しひっぱり、すぐに立ち去りました。

■3〜4日目 おなかがふくれてくる
口や目をめがけて、多くのハエがたかっています。おなかがふくれているのは、内臓がくさってガスが発生しているためと考えられます。

■5日目 ウジが全身をおおう
  全身がハエの幼虫(ウジ)で真っ白になりました。ウジは大小さまざまです。卵を産みに来たハエの数は減りました。タヌキの毛は抜けおち、腐ったにおいが強くなりました。

■5日目 カラスがウジを食べにくる
 ハシボソガラスがやってきました。こんどはウジが目当てです。遺体に集まる生物もまた、他の生物の餌となっています。

■6日目 ウジが移動を始める
  ウジが体のまわりに広がりました。ウジのかたまりは泡で囲まれています。このころまでに、ハネカクシや甲虫も現れました。
 
■7日目 カラスが肉を食べにくる
  皮が分解され、骨や組織が現れました。食べやすい部分が多くなり、ハシボソガラスがひんぱんに訪れ、骨に残った肉を食べています。

■10日目 カラスが足の骨を持ち去る
 ハシボソガラスが足の骨を持ち去りました。骨についたわずかな肉を食べるのでしょうか。

■10日目 ハクビシンがやってくる
  ハクビシンがやってきました。鼻すじの白い線が見えます。夜行性で、果実や小動物を好む雑食性の哺乳類です。においをかいで様子をうかがっています。

■15日目 タヌキが後ろ足を持ち去る
  タヌキが足の骨を持ち去りました。このように、大きな骨は土にかえる前に、そのほとんどが動物に持ち去られました。

■2ヶ月〜 タヌキが土に還る
  20日前後で内蔵や筋肉などのやわらかい組織はほとんどなくなってしまいました。毛と骨の一部は分解されずにまだ残っています。この頃になると、生きものもあまりやってこなくなりました。

(データ番号:momo090326np01b)

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